CFexpress 2.0 とCFexpress 4.0で撮影時の書き込み速度やバッファ処理に違いが感じられるか、「2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU」と「2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」の2レースを撮影し、検証してみました。

撮影に使用した機材

カメラ:EOS R3
レンズ:
 RF200-800mm F6.3-9 IS USM
 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
 RF24-105mm F4 L IS USM
メモリーカード:
 Delkin DCFXBP160G4(CFexpress 2.0、160GB)
 Delkin DCFX4P1TB(CFexpress 4.0、1TB)

CFexpress 2.0と4.0の違い

下記Webページで規格の違いについて詳しい解説が記載されています。ご参考に。
新世代のCFexpress4.0、CFexpress2.0に比べての区別は?

撮影時における書き込み速度やバッファ処理の体感差

結論から言うと、撮影時の書き込み速度やバッファ処理において、現在発売されているCFexpressカードを使用するカメラで2.0と4.0の差は感じられませんでした。
4.0は現状、PCへの転送時しか恩恵を受けられませんが、下位互換性を有しており、近い将来に4.0対応カメラの登場を想定すると、今後CFexpressカードの購入は4.0がお勧めと言えます。
また、撮影に使用したカードは両者ともフリーズも発生しなかったので、Delkin DEVICE社のCFexpressカードは安心して使用できるCFexpressカードといえます。以下、カード毎の作例になります。

作例:DCFXBP160G4(CFexpress 2.0、160GB)

2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU JSB1000クラス
焦点距離:500mm(1.6倍クロップ)、ISO:400、絞り:F7.1、SS:1/800
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
SUBARU BRZ R&D SPORT
焦点距離:700mm、ISO:1000、絞り:F10、SS:1/500
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
MOTUL AUTECH Z
焦点距離:700mm、ISO:400、絞り:F9、SS:1/640
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU ST1000クラス
焦点距離:135mm(1.6倍クロップ)、ISO:50、絞り:F9、SS:1/100
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU JSB1000クラス
YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 岡本裕生 選手
焦点距離:500mm、ISO:50、絞り:F8、SS:1/50
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU JSB1000クラス
KRP SANYOUKOUGYO&RS-ITOH 柳川明 選手
焦点距離:400mm(1.6倍クロップ)、ISO:50、絞り:F9、SS:1/40
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

作例:DCFX4P1TB(CFexpress 4.0、1TB)

2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
STANLEY CIVIC TYPE R-GT
焦点距離:700mm、ISO:50、絞り:F9、SS:1/160
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU ST1000クラス
MATSUBA RACING RS-ITOH 中村竜也 選手
焦点距離:300mm(1.6倍クロップ)、ISO:50、絞り:F8、SS:1/200
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
Astemo CIVIC TYPE R-GT
焦点距離:35mm、ISO:50、絞り:F13、SS:1/50
レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU JSB1000クラス
Team Kodama 児玉 勇太 選手
焦点距離:400mm、ISO:50、絞り:F7.1、SS:1/50
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 SUPER BIKE RACE in KYUSHU JSB1000クラス
YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 岡本裕生 選手
焦点距離:500mm(1.6倍クロップ)、ISO:50、絞り:F14、SS:1/80
レンズ:RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16
焦点距離:200mm、ISO:100、絞り:F11、SS:1/50
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
STANLEY CIVIC TYPE R-GT
焦点距離:800mm、ISO:100、絞り:F14、SS:1/50
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM
2024 AUTOBACS SUPER GT ROUND7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
au TOM’S GR Supra
焦点距離:500mm、ISO:50、絞り:F9、SS:1/80
レンズ:RF200-800mm F6.3-9 IS USM

CFexpressカードの選択・購入について

Delkin POWERシリーズのラインナップを規格、容量、性能面、価格面から表に纏めてみました。
1GBあたりの単価、容量、性能面から見ると高額にはなりますが、やはり4.0のカードがお買い得と言えます。
※規格、容量、性能面の情報はのDelkin DEVICE社Webページより転載、価格はDelkinオンラインショップ掲載価格(2024年11月2日現在)

型番DCFXBP128G4DCFXBP160G4DCFXBP256G4DCFXBP325G4DCFX4P512DCFX4P1TBDCFX4P2TB
カードタイプCFexpress 2.0 Type BCFexpress 4.0 Type B
容量128GB160GB256GB325GB512GB1TB2TB
最大読込速度1780MB/s3650MB/s
最大書込速度1700MB/s3240MB/s
最低持続書込速度805MB/s1490MB/s1570MB/s1420MB/s
価格
(税別)
¥18,173¥20,790¥22,718¥28,636¥39,800¥65,900¥118,000
単価
(1GBあたり)
¥141.97¥129.93¥88.74¥88.11¥77.73¥65.90¥59.00

まとめ

冒頭で記載した通り、先々で4.0対応カメラの登場と下位互換を保有していることから、スチル・ムービー用途問わず、4.0のカード購入は有効な先行投資であると考えます。また、2.0も安心して使えるカードであり、メモリーカードに大容量を求めない方はご自身の撮影スタイルにあわせて2.0のカードを選択してよいと思います。
CFexpressカードの購入を初めて検討されている方、買い増しを検討されている方の参考になれば幸いです。